エスカルゴ・バター。



ともしびでは、「ガーリックバター」と表記する事が多いでしょうか。

エスカルゴ・バター。
エスカルゴ…平たく言えば、でんでん虫ですわな。(伝々虫じゃないよ)

僕らの子供の頃は、フランス料理と言えば、「でんでん虫が出るんでしょ?」ぐらいの感じで、フランス料理の代名詞みたいでした。

エスカルゴ・バターっても、エスカルゴが入ってるワケじゃあないんですよ。

ニンニク、エシャロット、パセリを中心にした材料をバターに混ぜ込んだ、ブールドコンポーゼ、合わせバターの一種ですね。

エスカルゴを美味く食べるために、というか「エスカルゴのブルゴーニュ風」という料理に欠かせないものです。
そもそも、ニンニク、パセリ。捉え方によってはギョウザにも似たその風味。皆さん好まれ易く、パンに塗ってガーリックトーストに、エスカルゴに合うのですから、貝類を始め海の幸に、そしてソースのバリエーションにと、とっても重宝します。

そんなエスカルゴ・バターをみると、
かつて働いていた調理場。
ぼくは魚や肉などの素材をオーダー毎に切り出し塩を振り、対面にいる火入れ担当の先輩に渡す、という役。

この先輩が、まーー恐い。普段は優しい方なんですが、営業に入ると豹変します。
渡した魚のフィレに、骨が一本でも残っていようもんなら、「コレ!!」という大声と共に返って来ます。
当然、渡すタイミングが悪くても、睨まれます。
そんな恐怖の営業を終えて、
「あーあ、散々だったな…」
などと落ち込みながらまな板を洗ったりしていると、
「お疲れぇ~♪」
などと後ろから肩をもんできたりするのです。
さっきまであんなにキレていたのに。

「オレは分けてるから。」
と公言していらしたので、ある意味筋の通った人と言えるでしょうか。

そう!エスカルゴ。
メニューにあったんです。下ごしらえしたエスカルゴを一人前3コ、渡すんです。
どうしたものか、その晩はエスカルゴを使ったコースが多く。
最後の一人前、2コしか残ってない!
…この忙しいのに今から下ごしらえなんて間に合うワケない…
若く愚かなぼくは、残っている2コのうち1コを半分に!コレで見た目は3コ!
当然、バレます。
対面では、半分に切れたエスカルゴをトングでつまみ、顔の前で眺め回す先輩…
「こ、殺される…」と目をそらすぼく。
すると、ニッコリ笑って、
「ダメダメ、コレダメじゃーん(笑)」
…わかりますか? 絶対怒られるシチュエーションで恐い先輩が逆に笑った時の恐ろしさ。

完全体のフリーザが意外と普通だった。みたいな得体の知れない恐ろしさ。

あまりの恐怖で、その後どうなったかよく覚えていないんですが。
多分、ちょっとお客様をお待たせして、エスカルゴを下ごしらえから調理してお出ししたんだと思います。

この緑色のバターを見ると、そんな事を思い出すのです。
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履歴書の書き方 | URL | 2012.12.28 16:40
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
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